水谷酒造 2025酒造年度(令和7BY)の醸造について

2024年5月9日(木)、私たち水谷酒造は火災により酒蔵が全焼するという、創業以来最大の試練を迎えました。あの日から、たくさんの方々に励まされ、支えられ、共に歩んでまいりました。

「もう一度、自分たちの酒をつくりたい」——その一心で、2024酒造年度(令和6BY)より共同醸造という形で再出発いたしました。

このたび、2025酒造年度(令和7BY)においても、引き続き共同醸造体制での醸造を実施することをお知らせいたします。

本年度は、以下の3蔵とともに酒造りを行ってまいります。

<共同醸造蔵>

① 鶴見酒造株式会社(愛知県津島市)
6BYでは「千瓢 純米 あいちのかおり vol.2」を仕込み、千瓢シリーズの純米酒として高い再現性を確認いたしました。同じ環境で再び酒を醸せることは、私たちにとって「安定」と共に「信頼」の証です。
本年度も鶴見酒造の皆さまと共に、丁寧で確かな酒造りに挑みます。

② 丹生酒造株式会社(福井県丹生郡越前町)
「飛鳥井 純米吟醸 雄町」「飛鳥井 純米吟醸 五百万石」の味わいに心打たれ、2023年よりご縁をいただいています。井尾杜氏のもとで学ぶ酒造りは、お米の旨味や味わいの引き出し方を学ぶ貴重な機会です。この学びを糧に、次の世代へとつなぐ新たな一歩を踏み出します。

③ 関谷醸造株式会社(愛知県豊田市/設楽町)
昨年に続き、今年も仕込みを継続いたします。吟醸工房では曽木杜氏、本社では荒川杜氏のご指導のもと、技術だけでなく「酒造りの基礎」を磨いてまいります。

また、当社醸造家・後藤実和は、2025年10月から2026年3月までの期間、丹生酒造にて住み込みで酒造りに携わります。現場に身を置き、五感で米と向き合い、仲間と汗を流しながら、火災で失われた酒蔵の魂を新しい形で取り戻してまいります。

火災という苦境を経ても、酒造りへの情熱は決して消えることはありませんでした。
今、あの火災から新しい光がたくさん生まれています。その光は、支えてくださった皆さまの想い、共に醸す仲間の皆さまの力、そして酒造りを愛する心です。

これからも私たちは、誠実に、真摯に、そして情熱をもって酒造りに取り組みます。
再び自らの酒蔵で酒を醸すその日まで、一歩ずつ確実に前へ進んでまいります。

今後とも変わらぬご支援、ご声援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

水谷酒造株式会社
代表取締役 水谷 政夫
専務取締役 立松 豊大
醸造家   後藤 実和